ベトナム語翻訳のスキル

ベトナム語翻訳・第28章:ベトナム語翻訳のチェックスキル・パート8

2020-09-29

日本語からベトナム語へ翻訳後、翻訳原稿をクライアントへ提出する前に、品質を高めて誤訳がないように最終チェックをすることは、省いてはならない段階です。

 

ベトナム語翻訳

 

第27章で述べた「言葉のニュアンス」に加えて、日本語からベトナム語への翻訳原稿をチェックする際、原文の内容に適した文脈スタイル、表現となっているか、という点にも注意する必要があります。

 

8.文脈スタイルを調整する

a. フィールド

言語学では、コンテキストとフィールドという2つの用語に出会うことがよくあります。

コンテキストとは、話者・作者が伝えたいことを言葉や表現で聞き手・読み手が十分に理解できるようにする言語的文脈です。コンテキストの要素には、文章の状況、キャラクターなどがあります。

フィールドとは、特定の人のグループが用いる言葉のバリエーションであり、多くの場合は同じ職業(医師、弁護士など)または同じ興味(スタンプコレクター、 野球)を持っている人です。これは「用語」とも言われています。
特定のフィールドは、特定の言葉や表現の用い方によって、他のフィールドと区別することがよくあります。

 

ベトナム語翻訳

 

たとえば、テニスでは「デュース」(両方が40ポイントを得る)、「ラブ」(スコアなし)、「トラムライン」(サブエリアをマークするテニスコートの2つの平行線)などの用語フィールドがあります。 

友人同士が話し合うときの表現や言葉は柔らかくなじみやすいものである一方、会議で使われる言葉や表現では正式なものとなるように調整しなければなりません。

マニュアルで使われる言葉(簡潔で、理解しやすい一般的な言葉など)と契約で使われる言葉(正式な言葉)ではそれぞれの表現が異なります。

 

b.翻訳もコミュニケーションの手段の一つ

 

ベトナム語翻訳

 

人とコミュニケーションを取るときに考慮されるいくつかの点は翻訳にも役立ちます。以下は参考表です。

言葉言葉
自然なコンテキスト人工的なコンテキスト
直接的なコミュニケーション関節的なコミュニケーション
個人的な表現中立的な表現
フレキシブル安定
コミュニケーション機能インフォメーション機能

翻訳者とチェッカーは、日本語からベトナム語への翻訳コンテキスト(何を、どこで、誰と)を見極めてから、適切な用語フィールド(表現、言葉など)を選択しなければなりません。

 

c. 文脈スタイルを統一する:

文脈スタイルを統一しないと、翻訳が不自然になったり、読者に不快感を持たせたりする可能性がありますので、十分に注意を払う必要があります。したがって、翻訳者とチェッカーが作業開始前に、日本語からベトナムへの翻訳の文脈スタイルを統一する必要があります。

 

ベトナム語翻訳

 

例:

Gửi gia đình thân yêu của con,

Đã một năm con xa nhà, một năm sống, học tập và làm việc nơi xứ người, cách nhà 1/4 vòng Trái đất.Trong một năm qua, con đã được học, được trải nghiệm và đối mặt với nhiều thử thách.

[…]

Trân trọng kính thư

  • これは家族への手紙であるため、「Trân trọng kính thư」は文脈として適切な表現ではありません。代わりに、「Chúc cả nhà luôn khỏe」などの表現を用いて家族への手紙として親近感を持たせることができます。

また、クライアントや目上の人にメールを書く場合は、 ビジネスで用いられるメールの礼儀として、「Kính gửi anh/chị」、「Dear anh/chị」などをレターヘッドに使用することがよくあります。

したがって、翻訳者とチェッカーは日本語からベトナムへの翻訳の内容に応じて適切な文脈スタイルを統一しておかなければなりません。その後、日本語からベトナム語への翻訳に適切な言葉と文脈スタイルを決めます。最も重要なことは、対象読者に適していることです。

続く

続きを読む:

第27章:ベトナム語翻訳のチェックスキル・パート7

第29章:ベトナム語翻訳のチェックスキル・パート9

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