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ベトナム語翻訳は難しいですか?
日本語からベトナム語に翻訳を依頼する際の注意点とは?

ベトナム語はベトナムの公用語で、中国語の他、かつて植民地支配されていたフランス語などの影響も受けている言語です。近年、ベトナムと日本は深い関係を築いており、今後ベトナム語の需要は高まっていくと考えられます。ベトナムやベトナム語に関する知識、そしてベトナム語に翻訳する際の注意点などをご紹介します。

目次

1.ベトナムはどんな国?

   

1.1. ベトナムの基本情報

まず、ベトナムの基本情報について簡単にご紹介します。ベトナムは5つの中央直轄市と58の省からなり、面積は32万9,241平方キロメートルで、日本の約90%ほどです。南北に長い国土で、北は中国、西北はラオス、西南はカンボジアと国境を接しています。人口約9,762万人(2020年)で、民族は全人口の約86%を占めるキン族の他、53の少数民族が認められています。 宗教は主に仏教が多数を占めていますが、カトリックや、ベトナムの新興宗教であるカオダイ教なども信仰されています。  

1.2. ベトナムと日本の経済的なつながり

  ベトナム語翻訳   ベトナムはここ数年、ASEAN諸国の中でもトップクラスである6~7%の経済成長率を達成しています。2020年には新型コロナが拡大する中でも2.91%とプラス成長を維持し、ASEAN内で最も高い成長率を記録しました。 このような著しい経済成長を遂げるベトナムには、1,900社を超える日系企業が進出しており(2018年)、また日本で働く外国人労働者数も国別でベトナムが1位(2020年10月)となるなど、活発な経済交流が行われています。 日越間の貿易も盛んで、ベトナムからは縫製品を中心に様々な商品が日本に輸出されており、2018年には日本との貿易額が第4位となりました。日本からベトナムへの海外直接投資も140億ドル(2020年)と大変活発です。 加えて、日本はベトナムにとって最大の援助国でもあり、2017年には約1,100億円の政府開発援助(ODA)が供与されました。   ベトナム語翻訳    

2.ベトナムと日本の商習慣の違い

ベトナムには多くの日系企業が進出しており、日本人が現地でベトナム人と仕事をする機会も増えました。日本人がベトナムで仕事をするにあたり、知っておかなければいけないことは何でしょうか。ベトナムと日本のビジネスにおける習慣の違いや気を付けるべきポイントをまとめました。  

2.1. 仕事より家庭が優先

日本では家庭よりも仕事を優先する日本人も多いですが、ベトナムでは家族を大事にしている人が多く、仕事よりも家庭を優先する傾向にあります。親や子どもの体調不良や親族の冠婚葬祭の準備など、家庭の事情で休暇をとったり早退することも珍しくありません。 会社のイベントに家族が一緒に参加することも多く、また、残業はせず仕事を終えた後の家族団らんの時間を大事にしています。 日本人とは異なるベトナム人の家族観に最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、理解を示しましょう。  

2.2. カフェ文化が盛ん

  ベトナム語翻訳   ベトナムといえばコーヒーの生産が有名で、カフェ文化が発達しています。街中にはたくさんのカフェがあり、カフェで話をする中で関係を深めていきます。 スタッフやビジネスパートナーから、カフェで仕事上の相談や個別の大切な話をされることもありますので、カフェに誘われたらできるだけ行くようにした方がよいでしょう。相手との関係づくりのために自分からカフェに誘うのもおすすめです。  

2.3. 昼寝の習慣がある

ベトナムには昼寝の習慣があります。特に乾季は1日中気温が高い日が続くため、身体を休めているのかもしれません。また、出社前に運動をしている人も見かけることが多く、朝が早いことも理由の1つでしょう。 会社が自宅から近い人は昼休み中に一度帰宅することも多く、そうではない人も事務所で昼食をとった後、自分のデスクなどで昼寝を取って休憩します。 日本では昼休憩中に昼寝をする人はあまり一般的ではないとは思いますが、昼寝をしているベトナム人スタッフをいても驚かないようにしましょう。  

2.4. 各スタッフの担当業務範囲を明確に

ベトナム人は自分の業務や責任の範囲について、他のスタッフとの線引きをはっきりとしており、同時に、自分に任された責任や権限を越えてしまうことを嫌います。 そのため、別の仕事を頼んでも自分の仕事ではないと断られることもあるかもしれません。 チームでの仕事を進める際には、あらかじめ各スタッフの担当業務や役割を明確にしておくとよいでしょう。  

2.5. 旧暦カレンダーが根付く社会

ベトナムでは旧暦が根付いており、お正月は1月後半~2月前半ごろに旧正月(テト)を祝います。旧正月前には社会全体が華やかな雰囲気になり、仕事が手につかないスタッフも出てくるでしょう。 また、中秋節(旧暦8月15日)を中心とした宗教行事なども旧暦に基づいて行われ、毎年日にちが変わっていくので注意が必要です。    

3.ベトナム語の特徴

3.1. 声調が6つある

ベトナム語は発音の難しい言語だと言われていますが、それは独特な声調(イントネーション)によるものだといっても過言ではありません。ベトナム語では音の高低や長さを使い分けて発音されます。そのパターンが多いのも特徴で、中国語では「四声」と言われるように4種類ですが、ベトナム語では、なんと6種類あるのです。それぞれの声調は単語に声調記号がついて表されます。      

3.2. 時制や人称ごとの動詞活用、複数形による名詞変化がない

ベトナム語はヨーロッパ言語に多く見られるような、時制や人称による動詞の活用がありません。いつの出来事か表現する際は、過去を表す「đã」や、未来を表す「sẽ」を動詞の前につけたり、「昨日(hôm qua)」や「もうすぐ(sắp)」など時間を表す言葉が用いられます。 また、名詞の複数形もなく、数字や数の大小を表す副詞「たくさん(nhiều)」などが一緒に使われることが多いです。  

3.3. 中国語(漢字文化)の影響を受けている

ベトナムは中国語の影響を大きく受けており、漢字が使われていた時代があります。今でもその名残は残っており、中国語と発音が似ている単語が多いのです。そのため、中国語が由来となっている日本語の単語も同様に、ベトナム語と発音が似ているものがあります。   ベトナム語翻訳   例えば「管理」はベトナム語は「quản lý」(クァン リー)、「発電」はベトナム語で「phát điện」(ファッ ディエン)と発音します。  

3.4. 略語が多い

ベトナム語では頻繁に略語が使われます。一般的な単語の略語は広く普及していますが、元の単語が専門的なものだとベトナム人でもわからないことがあります。 例えば「会社」はベトナム語で「công ty」となりますが、「Cty」と省略されます。 また「人民委員会」(日本の市役所に当たる組織)はベトナム語で「Ủy ban nhân dân」となりますが、各音節の頭文字をとって「UBND」と省略されます。このような組織名の略語は、公文書でも度々使用されています。  

3.5. 様々な方言がある

ベトナムは南北に長い国土で、北部、中部、南部で使われている言葉や発音が異なります。例えば「コップ」はベトナム北部では「cốc」、南部では「ly」と表され、地域ごとに異なる単語が使用されます。 また、地域ごとの発音の違いも多く、例えば「G」のアルファベットを北部は「ザ」、南部は「ヤ」に近い音で発音されます。   ベトナム語翻訳   加えて、隣同士の省でも発音が異なることも多く、ベトナムには多様な方言が存在しています。ベトナム人同士でも違う地方の出身だと話している内容を理解できないこともあるほどです。    

4.ベトナム語と日本語で異なる点

4.1.相手の年齢によって人称代名詞を使い分ける

ベトナム語では相手の年齢によって、異なる人称代名詞を使います。自分より年上の男性に対しては「anh」、年上の女性に対しては「chị」、年下の人に対しては男女問わず「em」を使います。 しかし、年上の人でも、相手が自分の父母より年上か年下か、年下でも自分の子どもより年上か年下かなどで細かい区分があり、使う人称が異なるため、慣れていないと大変かもしれません。  

4.2.人称代名詞を使って敬意を表す

ベトナム語には様々な代名詞があることをご紹介しましたが、敬意を表す1つの方法として、人称代名詞を省略せずきちんと使うことが挙げられます。つまり、代名詞を抜いてしまうと、相手を尊重していないことになり、失礼に値する場合があるのです。日本語では主語を省略してしまうことも多いですが、目上の人と話す際は、うっかり忘れてしまわないようにしましょう。  

4.3. 修飾語が名詞の後になる

日本語だと、例えば「この商品」というように「この(修飾語)」→「商品(名詞)」の順番で並びますが、ベトナム語では「sản phẩm này(商品 この)」と表され、日本語と順番が逆になります。 「携帯電話」のような複合名詞でもこの順番が当てはまるものが多く、「Điện Thoại Di Động(電話 携帯)」と表記されます。    

5. ベトナム語の翻訳はベトナムの現地翻訳会社に依頼すべき

5.1.ベトナム語は人称表現が難しく略語が多いため、機械での翻訳は難しい

近年、ベトナムと日本の経済交流はますます活発となっており、ベトナム語に翻訳された資料の必要性は高まっていくでしょう。 翻訳アプリや機械翻訳などの普及が進み、ベトナム語に対応したものも増えてきていますが、残念ながらあまり精度は高くなく、正確に翻訳されない場合が多いです。     その理由の1つが、ベトナム語の人称代名詞が複雑であることです。前述の通り、ベトナム語の人称代名詞は年齢によって使い分けられるので、同じ人称代名詞(年上の男性を表す「anh」など)でも、場面や文脈によって誰を指しているのかが異なります。 また、略語が多いことも理由の1つです。省略されてアルファベットのみとなった略語は、機械翻訳をしてもその頭文字のままでしか表示されず、結局意味が理解できないことも多々あります。ベトナム語の翻訳に翻訳アプリや機械翻訳を用いる際は注意が必要です。  

5.2. ベトナム語の翻訳はベトナムの現地翻訳会社に頼るのが1番

上記の理由から、翻訳アプリや機械翻訳はまだ制度が不十分だといえます。あいさつ程度の簡単な内容であればそれほど大きな支障はないかもしれませんが、特にビジネスで使う文書では、少しの翻訳のミスが取り返しのつかない失敗を招いてしまう可能性もあります。 現地のパートナーと円滑にコミュニケーションをとり信頼関係を築くために、ベトナム語の翻訳は、信頼と実績のある翻訳会社を頼るのが1番です。  

6.ベトナム語への翻訳料金の相場・単価はいくら?

翻訳料金は次の3つのポイントを中心に決まっていきます。 ①納期 ②翻訳する原稿のボリューム ③翻訳分野や言語の種類 以下で具体的にご説明していきます。  

6.1. ポイント①納期

翻訳料金は依頼から納品までの日数によって変わります。翻訳者の1日に作業できる分量は決まっており、また複数の依頼を受けている場合もあります。そのため、通常よりも短い納期だと、翻訳者の人数を増やしたり、他の仕事を断ったりしなければならないため、料金が高くなってしまいます。コストを抑えるためには納期に余裕をもって依頼するとよいでしょう。  

6.2. ポイント②翻訳する原稿のボリューム

翻訳料金は原文や翻訳後の文章量で「1文字当たりいくら」、「1単語当たりいくら」などと、目安が決まっている場合が多く、翻訳会社が見積もりを作成する際は、このレートを基に翻訳前の原稿の単語数や文字数を参考にしています。 翻訳会社によっては依頼量が多い場合、割引を受けることもできます。  

6.3. ポイント③翻訳分野や言語の種類

翻訳の難易度も料金を決める重要なポイントです。法律、医療、情報など、様々な分野がありますが、分野によって料金が異なります。また、文書の専門性によっても料金が変わり、論文など専門性が高い場合は料金が高くなる場合が多いです。 そして、翻訳者や翻訳案件の数が少ない言語は他の言語より調整が難しくなるため、料金が高くなる傾向があります。 ベトナム語の翻訳はそれほど難易度が高くないので比較的安く設定されています。  

6.4. 日本語・英語からベトナム語への翻訳料金相場

日本語からベトナム語、英語からベトナム語の翻訳料金の一般的な相場は以下のようになります。
日本語→ベトナム語(単価/字)英語→ベトナム語(単価/ワード)ミニマムチャージ (400字)
一般文書・手紙 6円~8円 7円~9円 5,000円
専門的文書 8円~10円 9円~11円 5,000円
契約書・証明書・特許10円~12円11円~13円5,000円
  前述のように納期が短い場合は別途特急料金が設定される場合もありますし、逆に余裕のある納期の場合や文章量が多い場合は割引されることもあります。    

7. まとめ

このページでは、ベトナムやベトナム語に関する基本情報とベトナム語を翻訳する際は信頼できる翻訳会社に依頼したほうがよい理由についてまとめました。 今後さらなる経済成長が期待されるベトナム。成長戦略の一環として、ベトナムへの市場展開を検討されている企業様も多いのではないでしょうか。ベトナムへの進出にあたり、資料の正確な翻訳は、現地パートナーとの円滑なコミュニケーションに欠かせません。 グリーンサンでは、スピーディーで高品質なベトナム語の翻訳を提供しています。翻訳の内容や目的に合わせて、各専門分野のプロが対応いたしますので、お気軽にご相談ください!

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