タイの文化が好きな人にとって、ムエタイという格闘技を知らない人はいないでしょう。この格闘技は戦闘的であり、タイ人の精神を表しています。
ムエタイとは
ムエタイは、古くからある伝統的な国民的武術であり、現在ではタイで広く発展したスポーツとなっています。この武術は、世界中の多くの人々にも知られています。欧米人はタイ・ボクシング(Thai boxing)と呼んでいますが、ボクシングとも違います。その理由は、ムエタイが精神的、宗教的なものとなっているからです。
ムエタイは、手、足、ヒジを使った攻撃を組み合わせた格闘技で、ヒジを使った攻撃は、相手をノックダウンする最も印象的な一撃です。ムエタイの選手は全身を強力な攻撃および防御の手段として使用します。この格闘技は、強くて激しいスタイルが特徴となっています。ムエタイは、タイ国全体のスポーツに発展する前は、古代タイ人の重要な戦い方の1つとされていました。
タイ語でムエタイは「ムアイタイ(มวยไทย)」と読みますが、近隣の国では、以下のような様々な名称があります。
カンボジア:クン・クメール(Kun Khmer)、プラダル・セレイ(Pradal Serey)、ボッカタオ(Bokator)
マレーシア:トモイ(Tomoi)
インドネシア:プンチャック・シラット(Pencak Silat)
ミャンマー:ラウェイ(Lethwei)
ラオス:ムエラオス(Muay Lao)
ムエタイの歴史
発祥地について、ムエタイの起源となる国はまだ分かりません。
ムエタイの歴史については、1500年に「ムエ・ボラン(古代ボクシング)」という名前で登場したと言われています。ナレースワン王の時代には、すべての兵士がこの武術の訓練を受け、手ぶらで敵と戦うための典型的な武術とされていました。シャム兵は、各地方や地域で互いに競争するために練習を重ねていました。
また、ムエタイは、ビルマ軍の捕虜となったシャム軍のナイ・カノムトムが創始したという説もあります。囚われの身となったナイ・カノムトムは、ビルマのトップボクサー10人との対戦を求められ、軍隊で学んだ技術を駆使して全員に勝利しました。これは、最初の公式のタルシャニング試合(ムエタイの試合)であると考えられています。
ムエタイやムエタイの文化、精神の美しさ
ムエタイは師匠に敬意を払う格闘技
いずれにしても、ムエタイの選手は皆、師匠を深く尊敬しています。
師匠の仕事は、弟子たちの戦闘技術と精神力を鍛えることです。毎回の試合前には、弟子が無事にスムーズに勝てるように祈願することが多いようです。師匠への感謝と尊敬の気持ちを込めたワイクルー(Wai Kru)という儀式を行います。タイの人々にとって、勝利は重要ですが、常に名誉が最優先されます。勝っても負けても、ムエタイの選手は対戦相手や対戦相手の師匠に敬意を表します。
ムエタイと精神的な信念
宗教はタイの生活の中で重要な役割を果たしており、ムエタイにも密接に関係しています。ムエタイ選手が入場の際に頭にはめている装飾品「モンコン」や衣装には、幸運や守護の意味が込められています。
タイの人々は精神世界に大きな信頼を寄せています。毎回、試合の前には神々に敬意を払うための「ラム・ムエ」の儀式を行います。この儀式は、ボクサーのために神々からの保護を祈るものです。
ムエタイは心に強く訴える格闘技
ムエタイに関する最大の誤解のひとつは、ムエタイが単なる暴力的なスポーツに過ぎないということです。しかし、他の格闘技と同様に、ムエタイは重要とされている道徳的・精神的価値感を養い、練習生は謙虚になり、規律を守り、そして何よりも練習生を鼓舞することができます。
ムエタイは練習生に多くの素晴らしい美徳を授けます。勇気、謙虚さ、戦士の精神など、ムエタイが授ける資質は、きっと自分の潜在能力を引き出すのに役立つでしょう。そして、学習期間を経て、練習生は今までとは違う、より良い、より強い人間へと変化していくのです。
ムエタイは、タイの強靭な精神を示す格闘技であると同時に、その奥には文化や宗教の美しさが隠されていると言えます。
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