日本語からベトナム語への翻訳をチェックする際、原文を見ずに翻訳原稿のみを読んだ後、翻訳に間違いがないことを確認するための最終ステップは、翻訳を声に出して読むことです。
第37章:ベトナム語翻訳のチェックスキル・パート17では原文を見ずに翻訳原稿のみを目で読むことについてご紹介しましたが、翻訳の文章が正確で自然であることを確認するため、声に出して読むという最後の手順が必要です。
21.声に出して読む
日本語からベトナム語への翻訳を声に出して読み上げることは、最終的な翻訳成果物をクライアント・翻訳会社へ提出する前の最終段階です。これは、翻訳者とチェッカーが翻訳を再度読み、翻訳作業中に見落とされた可能性のある誤りを見つけて修正するステップです。
また、このステップでは、Trados、Memsourceなどの翻訳サポートツールを利用して翻訳されたファイルを元のファイル形式(ワード、エクセル、パワーポイントなど)に出力する必要があります。その際、翻訳者とチェッカーは対象読者の観点から翻訳の全体的のプレゼンテーションを把握することができます。
翻訳を声に出して読むときに、翻訳者とチェッカーはフォントにも注意を払う必要があります。これは、読者またはクライアントが翻訳を読むとき最初に目にするものなので、特別な注意が必要です。具体的には次の点です:
- 同じプロジェクトのファイルのフォントを一致させる必要があります。
- クライアントのスタイルガイド・指示があればそれに従います。クライアントのスタイルガイド・指示がなければ、会社のフォント規制に従います。
- フォントエラーにつながる原因の1つは、「検索時のコピペ」です。翻訳に関する情報を探してコピペすることにより、翻訳のフォント、フォントサイズ、フォントの色などの統一性がなくなる可能性があります。
翻訳者とチェッカーは間違えたフォントまたは不適切なフォントサイズの箇所にマークし、翻訳を読んだ後に戻って編集するか、編集できない場合はクライアントに報告する必要があります。
翻訳を声に出して読むことは、原文を見ずに翻訳原稿のみを読むことと同じ作業ですが、声に出して読むと、翻訳者とチェッカーは日本語からベトナム語への翻訳の中で不自然な箇所を見つけやすくなります。翻訳が読みやすいかどうかを決める条件は、「翻訳の文章は自然か?」というものであることを覚えておいてください。
翻訳を読むとき、読者は目で読むだけでなく、頭の中でも文章を読みます(黙読)。文の表現が長すぎたり、不自然な言葉や誤った表現などを用いたりすると、読むリズムが乱れ、理解しにくくなります。
しかし、自然な文章の翻訳だからといって、正しいとは限らないことにも注意してください。したがって、意味は原文と合いますがどうしても自然にならない翻訳の場合、翻訳者とチェッカーはそのまま残してメモし、解決策を見つけるためクライアントへ連絡する必要があります 。日本語からベトナム語への翻訳の際、文章をより自然にするため誤った意味に翻訳することはご法度です。
翻訳を声に出して読んだ後、翻訳者とチェッカーは最初に戻って見つけた誤りを修正し、翻訳を提出する前に誤りがないことを確認するためにもう一度読む必要があります。
終わりに
日本語からベトナム語への翻訳をチェックすることは、翻訳物をクライアントへ提出したり出版したりする前の最終ステップです。したがって、最終的なチェックを行うときは、誤りを回避するために細心の注意が必要です。
チェックは難しいスキルではありませんが、パーフェクトで高品質な翻訳に仕上げるためには、重要なポイント以外に詳細な点にも注意を払う必要があります。最後に、他の翻訳者の翻訳をチェックすることにより、多くの知識や新しい翻訳方法を学ぶことができ、自分のスキルを向上させるのにも役立つでしょう。
続く
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