DTP制作で特定の色のインキを使用する「特色印刷」では、「版」を意識して制作します。色によってはモニタやプリント出力での確認が困難な場合もあるので、仕上がりを想像しながらの作業になります。
特色印刷の利用
DTP制作で「特色(スポットカラー)」とはあらかじめ混合され特殊なインキのことでCMYKのプロセスインキの代わりにまたはCMYKプロセスインキに加えて使用します特色を使用する場合、特色ごとに版が必要になります。必要な色数が少なく、色の精度が重要な場合、特色を使用することが多くなります。
特色インキには、CMYKでは表現できないカラーがたくさんあります。「DIC(大日本インキ)」や「PANTONE」などインキ会社ことに色(カラーのサンプル集)が用意されていて、その中から色を選びその番号で使用する色を指定します。それらの色見本は、たいていのDTP制作 関連のソフトにデータとして付属し、DTP作業の上でも指定や確認ができるようになっています。ただし使用する色によって、モニタやプリントアウトでは実際に印刷される特色を確認ことは難しいので、色見本を参考に、ある程度仕上がりを想像する必要がでてきます。
「1色刷り」や「色刷り」の場合は、特色で色を指定する場合がほとんどで、CDの盤面、パッケージなどの印刷でも特色指定が多くなります。コストが高くなりますが、CMYKにプラスして特色を使用する場合(5色刷りなど)もあり雑誌や書籍の表紙などでその例がよく見られます。
解説1
通常のカラーの印刷物は、C版、M版、Y版、K版の4つの版を重ねて(かけ合わせて)刷ることによって作成されていて、「プロセスカラー印刷」と呼ばれています。
解説2
主な特色インキには、大日本インキ化学工業の「DIC」、バントーン社の「PANTONE」、東洋インキ製造の「TOYO」などがあります。各社とも印刷見本のカラーチップを販売しており、デザイナーやDTPオベレーターはそれをもとに色を指定します。
解説3
2色印刷では、写真画像も使用する2色のインキで表現します。画像をどちらかのインキの色だけで表現する以外にも、「ダブルトーン」や「2色分解」という処理をする場合があります。
用語解説
- DIC
大日本インキ化学工業(2008年4月からはDIC株式会社)のカラー。日本伝統色、中国の伝統色、フランスの伝統色などもあり、幅広く利用されている。
- PANTONE
アメリカのバントーン社のカラー。海外でよく使用されている。グラフィック(紙への印刷)だけでなく、ファッション工業製品等の分野でも多く利用されている。
- TOYO
東洋インキ製造株式会社のカラー。
- シルクスクリーン印刷
画線部に穴を開けた印刷版(スクリーン)を使ってその穴からインキを押し出して印刷する。凹凸のあるものや曲面にも印刷が可能。工業用品にも使用される。
- ダブルトーン
グレースケールの画像を、特色2色で刷り重ねて表現する方法。普通のグレースケールの画像とはひと味う、深みのある画像になるのが特徴。
- 2色分解
CMYKの4版のうちの2版を異択し、C版をDIC 572。M版をDIC 87でといったふうに、それぞれを特色で印刷する方法。
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