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DTP作業シリーズ・第1章・バート3:DTP作業の流れと職種

2020-09-18

印刷物が完成するまでには、たくさんの工程があります。DTP作業はその一部分ですが、全体の流れを知っておくことも重要です。ここではDTP作業の例として、雑誌や書籍をつくる場合の流れをみてみましょう。

 

DTP作業

 

印刷物の企画からDTP作業まで

書籍の制作は出版社の「編集者」が企画を立てるところからはじまります。その際、販売予想数を考慮に入れ、その本を制作するために使える予算も算出します。この予算には、本の仕様(ページ数・刷り色の色数判型紙の種類など)が大きく関わってきます。制作物の仕様がほぼ決まったら、執筆を「ライター」に依頼したり、取材をしたり、「カメラマン」に写真撮影を依頼したり、挿絵などを「イラストレーター」に依頼したり………と、企画に応じた内容を準備していきます。

編集者のもとに集められたいろいろな素材は、DTPで扱えるデジタルデータにする必要があり、手書き原稿はワープロソフトなどで入力してテキストデータに、写真原稿はスキャナでスキャンして画像データにします。図版類は必要に応じてIllustratorなどの描画ソフトで作成しますもちろん、ワープロでの原稿作成、デジタルカメラでの撮影など、素材をつくる段階でもデジタル化がより進んできています。

 

DTP作業

 

すべてのデータがパソコン上で扱えるデジタルのデータになったら、デザイナーの指示に沿ってベージレイアウトソフトでレイアウトします。レイアウトしたデータは、ポストスクリプト対応のレーザープリンタなどで校正ゲラを出し、何度かの修正を繰り返して完成させ、印刷会社に入稿します。

素材のデジタル化からレイアウト完成データの入稿までは、編集者の指揮のもと、「DTPオベレーター」や「デザイナー」が中心になって作業します。デザイナーは制作物をどんなデザインにするのかを考えるのが主な仕事で、DTPオペレーターはそのデザインを印刷会社に入稿できる状態にするのが仕事です。DTPが普及した現在では、編集者がDTPオペレーターの仕事をしたり、DTPオペレーターがデザインを考えるところまで担当したりと、DTP作業の分担があいまいになってきています。

 

印刷会社への入稿稿から制作物の完成まで

 

DTP作業

 

一方、入稿後の印刷会社での作業では、制作物ができるまでの段階ごとに部門があります。高解像度のスキャニングを行うスキャナオペレーター、イメージセッタやCTPへの出力を担当する出力オペレーター、印刷担当のオペレーター、加工製本担当のオベレーターなど、それぞれの専門家が各作業を担当します。

 

解説

デザイナーとはあくまでもデザインやレイアウトを考える(発想する)人のことを指し、パソコンを使用しない人もいます。ただし、DTP化が進むなかで、道具としてパソコンを利用する機会が増え、「DTPデザイナー」などと呼ばれる人も。一方、デザイナーが考えたデザインをバソコンやソフトウェアを使って希望どおりの紙面に仕上げるのが、DTPオペレーターの役割になります。

解説

広告業界などでは、出版社の編集者の役割を「アート・ディレクター(AD)」が担うのが一般的です。また、制作物の仕様などを決定し、完成までの制作工程の管理をする「プリンティング・ディレクター(PD)」という立場の人もいます。

 

Q:ゲラって何?よく「ゲラ」ということばを聞きますが、何のことですか?

A:印刷用のデータが正しく作成されているかどうかを確認するための「試し刷り」のことです。確認作業のことを「校正」というため「校正ゲラ」などともいいます最初に出力するゲラを「初校」、次に出すゲラを「再校」といいます。そのあとは3校、4校となり、最終確認のゲラを「念校」、「校了ゲラ」などといいます。

現場からのアドバイス

編集者がDTPオベレーションをしたりオベレーターがデザインまで担当したりと、自分の領域外の仕事まで引き受けてしまう人もいます。そんな場合はクオリティの面で問題がないか厳しくチェックしましょう。

 

用語解説

  • 入稿:出版社などから印刷会社に印刷するための原稿が渡されること。DTPデータの場合は、「データ入稿」と呼ぶ場合が多い。

 

  • スキャナ:写真などの画像の情報を光で読みとり、パソコンなどで扱えるデジタルデータに変換する機器。一般用のものから非常に高価な業務用のものまである。

 

  • 校正:組版、レイアウトなどの工程を経た校正刷りの誤りや不備をチェックして訂正指示を加える作業のこと。段階や内容によって文字校正、色校正などと呼ぶ。

 

  • イメージセッタDTPデータから色分解した製版フィルムや印画紙出力する機械のこと。ポストスクリプトを解析するRIPを搭載し、高解像度の出力が可能。

 

  • CTP:Computer To Plateの略。Plateとは刷版のことで、通常は製版フィルムから刷版を作成するが、CTPではDTPデータから直接この刷版を出力する。

 

  • 刷版:印刷物を刷るための版。オフセット印刷の場合、製版フィルムの内容をアルミの薄い板に焼き付けて転写することによって作成する。

(続く)

続き読む:

第1章・バート1:DTP作業って何?

第1章・バート2:DTP作業の歴史

第1章・バート4:DTP作業に必要な知識

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