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DTP作業シリーズ・第1章・バート6:DTP作業のポストスクリプトとは?

2020-09-30

DTP作業を行ううえで、避けて通れないのが「ポストスクリプト」。ポストスクリプトの利用で、高速に高品質出力を得ることができるため、DTP作業の業界ではスタンダードとなっています。

 

DTP作業

 

DTP業界のスタンダード

「ポストスクリプト」(PostScript=PS)とは、アドビシステムズ社が開発した「ページ記述言語」(Page Description Language = PDL)のことです。ベージ記述言語とは、出力(印刷)する文字や画像の大きさや位置、角度などの情報をコンピュータが理解できる文字の羅列、つまりプログラムとして記述したものです。

ページ記述言語には、ポストスクリプトの他もいろいろな種類がありますが、DTP作業の業界では、ポストスクリプトが標準となっているため、使うソフトウェアやフォント、プリンタなどもポストスクリプト対応のものを使用します。

もともと高いクオリティ(高解像度)の印刷物を効率よく作成するために開発されたのがポストスクリプトであり、その技術を利用することによってDTP作業が誕生したのですから、業界のスタンダードであるというのは当然の話なのです。

 

Quartz(クオーツ)とポストスクリプト

Quartzとは、Macでモニタに文字や図形などを表示するためのしくみ(Application Programing Interface = API)です(Mac OS 9ではQuickDraw (クイックドロー)/ WindowsではGDI(ジイディアイ))。ソフトウェアからの情報を受け取り、それをモニタのピクセルやプリンタのドットのような点々の情報に置き換え、モニタに送って表示させたり、プリンタに送って印刷させたりします。この点々に置き換える作業のことを「ラスタライズ」といいます。

 

DTP作業

 

普通にパソコンを利用する場合にはこの方法だけで事足ります比較的ますが、DTP作業で制作する商業印刷物では高品質な出力結果が求められるため、簡単にはいきません。複雑なレイアウトや大量の文字情報、高画質な写真データなどを扱うため、出力機側では高速で効率よくラスタライズできるポストスクリプトが使用されます。

ポストスクリブトに対応したソフトで作成された情報は、プログラムとしてすべて文字で記述され、それをポストスクリプトに対応した出力機(プリンタやイメージセッタ)に送り、出力機側の「RIP」(リップ)と呼ばれる部分で受け取ります。そして、データを解析し、その出力機に応じた解像度でドットの情報に置きかえて印刷をします。このしくみならば、解像度は出力機側の処理能力によって決まるので、印刷品質の高低に関わらず、同じデータを使うことができます。

 

解説1

ボストスクリプトは、アドビシステムズ社が特許をもっている技術です。プリンタメーカーなどが、その技術を利用したボストスクリブト対応プリンタを製品化するためには、アドビ社にライセンス料を支払う必要があります。また、使用するソフトによっては和文フォントをインストールするためのハードディスクを搭載する必要もあり、ポストスクリプト対応のプリンタはポストスクリプト非対応のプリンタよりも価格が割高になってしまいます。なお、アドビ社にライセンス料を支払わずに、独自の技術で「ボストスクリプト互換」プリンタを開発し、比較的低価格の製品を発売しているメーカーもあります。

 

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解説2

ボストスクリプトは、同じデータからさまざまな解像度の出力機に出力でき、その出力機に応じた解像度での出力結果を得ることができます。このことを「デバイスインディベンデント」と呼びます。最終的には非常に高解像度の出力結果を得たい場合でも、比較的軽いデータで作業できるというメリットがあります。

 

Q&Aポストスクリブト対応は必須?

Q: ポストスクリプト対応のブリンタを利用していない場合、どうすればいいですか?

A:印刷会社に印刷を依頼する場合、ボストスクリプト対応プリンタでの出カ見本を入稿前の最終チェックに使用するため、非ボストスクリプトプリンタでの出力では、確実な最終チェックとすることはできません。サービスビューロー(出力センター)などを利用して入稿前に必ずポストスクリブト対応プリンタで出力し、チェックすることをおすすめします。

 

注意

ポストスクリブトも他のソフトと同様に、パージョンアップします。PostScript Level 1(1984年)→PostScript Level 2(1990年)→Post- Script 3(1996年)と進化してきており、DTP作業の現場では、現在Level 2と3に対応した機器が混在しているため、最新のソフトの出力などには注意が必要となります。

 

用語解説

  • 解像度

画像などのきめ細かさを表す単位。プリンタでは、印字するドットの細かさを表し、dpi(dot per inch = D1インチあたりのドットの数)という単位を使用する。

  • ポストスクリプト互換プリンタ

“純正”のアドビ社の技術ライセンスを利用せずに、よく似た働きをする技術を独自で開発したもの。ライセンス料金がいらないぶん、低価格な場合が多い。

  • ラスタライズ

文字で記述されたプログラムや関数などでできたデータを、プリンタやモニタに出力できるドット(点)の情報に変換すること。

  • RIP(リップ)

Raster Image Processorの略。受け取ったポストスクリブトデータを出力するプリンタに最適な解像度にラズタライズするハードウェアやソフトウェアのこと。

  • レーザーブリンタ

ブリンタの印字方式にレーザーを利用。高価だが高速品質な出カ結果を得られる。DTP作業の現場ではポススクリプト対応レーザープリンタがスタンダード。

  • API(Application Programing Interface)

アプリケーションソフト側から、OSなどの機能を利用するための架け橋として働くもの。

(続く)

続き読む:

第1章・バート5:DTP作業のメリット

第1章・バート7:DTP作業のデメリット?

 

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