印刷用データの作成時に、断裁位置、また多色刷りの位置合わせの目印としてつける罫線が「トンボ」です。また、印刷後の断裁時のズレを考慮して、仕上がりラインからはみ出させておく部分が「塗り足し」です。
トンボのつけ方
InDesignなどのページレイアウトソフトやlustrator(CS以降)では、印刷時の設定でプリント出力にトンボ自動的につくようになっています。この機能で作成されるトンボは、プリント出力時につけられるため、実際のレイアウト画面では確認できません。
一方、Ilustratorでペラものなどを制作するときには、通常制作物のサイズに合わせたトンボを「フィルタ」メニュー>「クリエイト」>トリムマーク」で作成します。また、折りトンボなどは自分で作成します。
多色刷りの場合各版に分解したときにすべての版に出力される「レジストレーションカラー」に設定する必要があります。
裁ち落としと塗り足し(ブリード)
印刷されたペラものは複数枚重ねられたまま断裁され、ベージものの場合は、製本の最終工程で断裁れます。その際の微妙なズレにより、印刷部分と紙の端との間紙色の隙間ができないように、レイアウト時から「裁ち落とし」部分に「塗り足し」をほどこしておく必要あります。フライヤーや雑誌、書籍等では、通常断裁するラインから3mm幅の塗り足しが必要となります。
トンボの種類
トンボはつける位置や役割によって、四隅につける「コーナートンボ」、印刷物の天地または左右の中心位置につける「センタートンボ」、折り加工エの指示のためにつける「折りトンボ」などの種類があります。
日本ではコーナーに「ダブルトンボ」が使われています。仕上がり線を表すのが「裁ちトンボ(内トンボ)」、塗り足し分だけ外側の位置を示すのが「塗り足しトンボ(外トンボ)」です。
解説
トンボは「トリムマーク」、「レジスターマークなどとも呼ばれています。また、トンボは断動時に切り落とされる部分につけるため、印刷物が仕上がってからは、人の目に触れることはまずありません。
解説
ページレイアウトソフトのプリントのダイアログの中には、トンボと裁ち落としの設定項目があります。IlustratorCS以降にも、下記のような設定項目が増え、ドキュメント設定サイズを仕上がりサイズに一致させておくと、出力時に正しいトンボがつきます。
豆知識
バッケージ等の厚い紙への印刷の場合、3mmではなく、 5mm以上の 塗り足りが必要な場合もあります。
用語解説
- レジストレーションカラー
データ作成に使われている色版すべてに100%の濃度で印刷されるカラー。インキの総量が多くなりすぎるため、トンボ以外には基本的に使用しない。
- ダブルトンボ
日本では内トンボと外トンボがある2重のトンボを使用する。一方、「西洋式」トンボは、「シングルトンボ」との呼ばれる内トンボのみのものを指す。
- カラーバー
印刷時に色の確認の目安とするもの。プリントのダイアログでも設定できる。印刷会社では独自のカラーバーを入稿データにつけ足す場合も多い。
- トリムマーク
「Trim(切り取る)」マーク。日本での「トンボ」あたる。Illustratorでは、「フィルタ」メニュー>「クリエイト」>「トリムマーク」でトンボを作成する場合が多い。
- ISBNコード
雑誌や書籍などにつける規格化されたバーコードと数字のこと。書店で流通させるためには、必ずつける必つか
- 束
書籍などの背の横幅のこと。実際の印刷/製本の前に背幅を確認する必要があるので、「東見本」の作成を事前に印刷会社に依頼して正しい寸法を割り出す。要がある。