DTP制作でレイアウトに使用する材料を用意するには、画像を加工するためのソフトと、図版やイラストなどを作成するソフトが必要になります。DTP制作ではPhotoshop、Illustratorが定番のソフトになっています。
ビットマップ系フォトレタッチソフト
写真などの画像データを扱うのが、ピットマップ系のグラフィックソフトです。その中でも圧倒的な人気を得て多くの人に使われている定番ソフトが、「Adobe Photoshop」です。
- Adobe Photoshop(Mac / Windows)
歴史も古く、DTP制作に関わる人のほとんどが使用しているといっても過言ではないのがこのソフトです。画像加加工をはじめ、写真の色合いの調整や汚れなどを除去するレタッチ作業、ロゴマークの作成、ファイルフォーマットの変換などにも使われています。また、レイヤー機能やフィルタ機能を使って、画像合成やオリジナル画像を創作することも可能です。バージョンアップごとにさまざまな機能が追加されていきます。
また、医療、建築、製造、科学などの専門分野で活用できる機能が加わったPHOTOSHOP CS3 EXTENDEDという製品もあります。
ベクトル系ドローソフト
線で描く(ドロー)ことによってグラフィックを作成していくのがベクトル系ドローソフトです。拡大縮少しても画質は劣化しないのが特徴です。図形や線などのパーツを個別に編集し、組み合わせて、絵柄をつくっていきます。
- Adobe Illustrator(Mac / Windows)
DTP制作でPhotoshop同様、業界定番のドローソフトです。「ベジェ曲線」で描画することにより、図形などを作成します。イラストの作成、図版データの作成、ロゴの作成などに使用するのが一般的ですが日本語の処理機能も充実しているため、ペラものなどのレイアウトソフトとしても広く活用されています。Webページの制作に便利な機能もたくさん搭載しており、バージョンアップごとにさまざまな機能が追加されていきます。
また、建築系で使用されている「Vector Works」や楽譜作成ソフト「Finale」など、他のベクトル系の専門ソフトで作成し書き出したデータを、Ilsutratorで読み込み、レイアウトの材料として使用することもできます。
豆知識
Photoshopやlustratorは、CS3からソフト名がすべてアルファベットの大文字で表記されるようになりました。
ADOBE PHOTOSHOP CS3アドビシステムズ(株)www.adobe.com/jp
解説
CS2以降のアドビシステムズ社製品には、「Adobe Bridge」というソフトが付属しています。これは、以前からPhotoshopに搭載されていた「ファイルブラウザ」という機能を、単独のアプリケーションとして独立させたもので、画像ファイルなどの閲覧管理ができます。DTP関連のすべてのアドビシステムズ社製品(CS2以降)からも直接アクセスでき、各ソフトの連係を実現してくれるたいへん便利なソフトです。
ADOBE ILLUSTRATOR CS3アドビシステムズ(株)www.adobe.com/jp
用語解説
- レイヤー機能
レイアウト・グラフィックソフトなどで、文字や画像などを階層別に配置していく機能。レイヤーを重ねたり個別に加工することで、複雑な描写も可能になる。
- ビットマップ
画像データは、それを構成する色のビット情報をもつピクセル(画素)が地図(マップ)ように平面に配置さているので、ビットマップと呼ばれる。
- フィルタ機能
レンズの前にセットし、写真にいろいろな効果を出カメラ撮影用のアクセサリー。Photoshopなどの画像処理では、特殊効果をかけるメニューのこと。
- ベジェ曲線
コンピュータで曲線を描く方式のひとつ。座標と直線や曲線を定義する数式で成り立っている。記述にはボストスクリプトが使用されている。
- ペラもの
端物ともいい、1枚の紙の片面または両面に印刷する印刷物の呼び方。ハガキ、チラシ、パンフレットなどを指す。
(続く)