DTP制作にかかせないのがフォントの存在です。さまざまな種類や形式があるため、自分の使用環境にあったものを選ぶ必要があります。また、DTP制作では、ビジネス系のソフト、通信関連のソフトなども必要となります。
現行環境でのフォントの選択
DTP制作で扱うデジタルフォントには、PostScript、True Type、OpenTypeの3種類のフォント形式があります。ダイナミックダウンロードに対応したソフトを使用する場合、OCF(PostScript)フォント以外が使用可能ですが、データ入稿先にも同じフォントが必要になります。種類の多い欧文フォントは、出カ目的に使用する場合のみ、入稿データに添付することが許可されていますが、和文フォントは許可されていないため、事前に用できるフォントを確認しておく必要があります。
OSに付属しているOpenTypeやTrue Type、InDesignなどソフトに付属しているOpenTypeなどの和文フォントは、新たに購入しなくても手に入るうえに、データ入稿先にも必ずあるため一番導入しやすいフォントといえるでしょう。
他のフォントを購入するのであれば、メリットが数多くあるOpenTypeがよいでしょう。書体ごとのパッケージでも購入可能ですが、「MORISAWA PASSPORT」や「Fontworks LETS」など、使用権のライセンス契約により、100書体以上の和文フォントを利用できる商品おすすめです。
従来環境でのフォントの選択
ダイナミックダウンロードに対応していないソフトを使用する際、Macの環境では、TrueTypeは “DTP制作では使ってはいけないフォント”とされているため、PostScriptフォントを標準で使用します。和文CID(またはOCF)フォントを使用し、「ATMフォント」との組み合わせできれいな画面表示を、そして高価な「プリンタフォント」との組み合わせでポストスクリプト対応プリンタでの高品質な出力を得られることになります。一方、Windowsでは、TrueTypeフォントの使用が標準であり、従来環境ではMacとWindowsでの互換性がありません。
その他のソフト
- Microsoft Office
DTP制作を発注するクライアントは、ビジネスソフトを使用している場合が、そのデータを受け取る側として、同じビジネスソフトを使っていると何かと便利です。
とくに台割表などの表組みに「Excel」という表計算ソフト、本文などのテキストデータを「Word」というワープロソフトで作成する場合が多いので、受け取ったデータ開けないいうトラブルを防ぐためにも、用意しておいたほうが安心です。
また、Ilustratorのグラフ作成機能や、INDESIGN CS3の表組み機能では、Excelから直接コピー&ペーストでデータを取り込むことが可能です。
- テキストエディタ
ページレイアウトソフトに流し込むテキストデータを編集する場合に便利です。フリーウェアやシェアウェアとして入手できるものが多数ありますMac用の「Jedit」、Windows用の「秀丸工ディタ」などが有名です。
- インターネットブラウザ/電子メールソフト
Webサイトから情報を得たり、仕事の打ち合わせをメールでしたり、データのやり取りをしたりと、DTP制作でもインターネットの利用は欠かせません。たいていの場合、パソコン購入時にOSと一緒にインストールされています。また、無料でダウンロードして使用できるものもあります。
- 圧縮・解凍ソフト
データをメールに添付して送る場合などは、圧縮するがエチケットでもあり、効率的です。圧縮されたデータもとどおりに戻すことを「解凍」といい、Mac OS X、WindowsではOSの機能としてZIP圧縮/解凍が可能です。ユーティリティソフトとして「Stufflt」、「Zip It」、「MacLHA」、Windowsでは「Lhasa」(解凍ウィンジップのみ)、「Lhaca」(圧縮解凍可能)、「Win ZIP」などがあります。
これらの圧縮解凍ソフトは、パッケージとして購入したり、Web上でフリーウェアやシェアウェアとして入手することもできます。
解説
Mac用の「Jedit」とWindows用の「秀丸エディタ」はともにシェアウェアで、人気の高いテキストエディタです。
・Jedit http://www.artman21.net/
・秀丸エディタhttp://hide.maruo.co.jp/software/
用語解説
- 台割表
ページものの各ページの内容を表した表のこと。印刷用紙の1折り(1台)単位に区切って管理する本づくの設計図や進行表の役割を果たす。
- ユーティリティソフト
ある特定の目的のために設計されたアプリケーションソフトの一種。ファイル圧縮やコンピュータウイルス駆除、メモリ管理、スクリーンセーバーなど。
- Microsoft Office
Windowsの開発発売元のマイクロコソフト社の製品。ワープロの「Word」、計算の「Excel」、プレゼンテーションの「PowerPoint」などのソフトが含まれている。
- フリーウェア
Web上などで作者が無料で配付しているソフトウェア。著作権は作者にあり著作権が放棄されているPDS(Public Domain Software)とは区別されている。
- シェアウェア
Web上などで配付ているトライアル版。ある一定期間使用して、気に入ったら使用料を作者に支払い、継続して使えるように登録手続きを行う。
(続く)