日本語からベトナム語翻訳の際、これは翻訳者にとって言語における豊かな表現力が要求される仕事です。下訳は、原文の意味を正確に伝えるための最初の段階と見なされています。下訳がよくできれば、上訳の段階へ順調に進めることができます。
日本語からベトナム語へ翻訳する際、受動文と能動文に出会うことがよくあります。その際、作者が強調したい主体を見極められないと、迷いやすくなるでしょう。では、どうやって日本語の自動詞と他動詞の使い分けを把握できるのでしょうか。
14.主体が事物・現象の場合:
日本語では、主語が人以外に事物や現象などとなる場合もあります。主体に伴って関連する動詞も文脈に合うように使われています。
日本語からベトナム語へ翻訳する際、事物や現象を強調するため、主語とすることが多くあります。この場合、動詞に注意を払う必要があります。
基本的には、次の2つのケースに分けられます。
ケース1: 動詞が自動詞の場合(目的語が付いていない動詞)、事物・現象は他の影響を受けず、自然に発生します。
文の形:
S(事物・現象)+V(自動詞)
この場合は通常通り翻訳すれば大丈夫です。
例1:
悪夢を見たので2時に起きました。
- Vì gặp ác mộng nên tôi đã thức dậy vào lúc 2 giờ sáng.
ケース2: 動詞が他動詞の場合
S(事物・現象)+V(他動詞)+O(人)
他動詞には必ず目的語が付きます。日本語からベトナム語へ翻訳する際、目的語は常にS(主語)に向けた対象や人、事物などになります。受動文に出会うとき、文をより自然にするために、訳文を考え直す必要があります。
例2:
私たちは結婚日を決めました。
- Chúng tôi đã quyết định ngày kết hôn.
例3:
This book was given by my mom.
- Cuốn sách này được tặng bởi mẹ tôi.
- Mẹ đã tặng cuốn sách này cho tôi.
上記の訳文は両方間違いありませんが、受動文に出会うとき、主語と述語を入れ替えれば、意味を変えず、文をより自然にすることができます。
翻訳するときに受動文と能動文を勘違いするのは避けられないことだと思われています。しかし、主語と目的語を見極めれば、自動詞と他動詞の区別はそれほど難しいことではありません。
- 自動詞と他動詞の区別
自動詞と他動詞は3種類あります
- 常に自動詞(いつも自動詞として用いられます)
例: 行く (đi)、働く (làm việc)、座る (すわる: ngồi)、死ぬ (しぬ): chết、泣く (なく): khóc v.v
- 常に他動詞(いつも他動詞として用いられます)
例: 飲む (uống)、食べる (ăn)、読む (よむ: đọc)、あげる: cho, tặng、買う (かう): mua v.v
- 自動詞と他動詞として両方用いられる。
例: vỡ 「割れる」 – làm vỡ「割る」, ngủ 「寝る」- ru ngủ「寝かす」, tuột 「脱げる」– tháo「脱ぐ」, v.v…
- 同じ動詞でも受動態と能動態の意味が違うことがよくありますので(例えば:「助かる」:生き残る、危険から逃れる、「助ける」:誰かを救う)、間違えないよう十分に注意しなければなりません。解決の方法として、日本語からベトナム語へ翻訳する前に、動詞の別の形式に出会った場合、調べた方がベストです。
一般的に、文章の意味を正しく翻訳するためには、翻訳者に高い語彙力が求められます。翻訳は確かに苦労が多く、多くの経験が必要ですが、特定のスキルを身に着けるならそれほど難しい仕事ではありません。一生懸命自己を改善し、言語能力を鍛えるならば、高い品質の翻訳ができるようになるでしょう。
(続く)