DTP制作で画像イメージなどをパソコンで扱うときに使用するのが、スキャナやデジタルカメラです。それらDTP制作の入力機器の種類と特徴、インターフェイス(接続方法)についてみていきましょう。
DTP制作でのスキャナ
画像イメージをパソコンで扱えるようにするために写真やイラストなどデジタル化する機器がスキャナです。
フラットベッドスキャナ
最もよく使われているのが、フラットベッドスキャナです。コピー機のように原稿を平らなガラス面におき、光で内容を読み込みます。A4サイズまでの原稿を扱える安価なものが主流ですが、A3サイズくらいまでの原稿を扱えるものもあります。
フィルム専用スキャナ
ネガフィルムや、プロカメラマンが使用するポジフィルムのことを「透過原稿」と呼びます。フラットベッドスキャナでも透過原稿を扱えるものがありますが、写真を多用する雑誌を制作するような場合では、フィルム専用のスキャナを導入することによってより効率よく作業することができます。
ドラムスキャナ
最終的に印刷物に使用する高解像度の画像のスキャニングは、数百万円するドラムスキャナ(製版スキャナ)で行うのが一般的です高価なうえに、扱いも簡単ではないため、通常は印刷会社やサービスピューローの専門のオペレーターに依頼します。
デジタルカメラ
画像イメージを直接デジタルデータで記録するのがデジタルカメラです。最近は作業の効率化をはかるため、カメラマンによる撮影自体をデジタルカメラで行うケースも増えてきました。
デジタルカメラのデータをDTP制作で使用する場合は、画素数(号解像度)が足りているか、また画像のクオリティそのものが印刷に使えるものか、などを十分に注意しなければなりません。
インターフェイス
パソコンとキーボードやマウス入力機器や出力機器などをつなく接続方法または規格のことを「インターフェイス」といいます。インターフェイスにはいろいろな種類があり、DTP制作初期にはSCSIなどが標準のインターフェイスとして使用されていましたか、現在では、Mac、Windowsともに使用されている「USB」やユーエ1ピーファイヤーワイヤアイトリー「FireWire(IEEE1394)が標準となっています。
解説1
DTPの現場では、次のようなものを取り込むときに安価なスキャナを使用します。
- レイアウトで仮に使用する軽いデータ
- 地図やロゴなどをトレースする下絵
- 小さく使うため画質にこだわらない画像
これらの作業なら、2万円前後のフラットベッドスキャナでも十分対応できます。
解説2
SCSIにはSCSI-2」、「SCSI-3」などの後継規格があります。USBにも「USB 1.1」、「USB 2.0」といったバージョンがあり、現在はUSB 2.0が主流です。また、FireWire(IEEE1934)は、400と800の2種類の規格があり、ソニー社の製品では「iLink」とも呼ばれています。インターフェイスのバージョンや機能の移り変わりは早いので、機器を購入する際には、対応をしっかりと確認しましょう。
解説3
同時にたくさんの機器を接続したい場合には、「HUB」と呼ばれるハードウェアを使用しますUSB HUB、Ethernet HUBなどがあります。
豆知識
画素数が100万を超える解像度のことを「メガビクセル」と呼びます。最近では、携帯電話に搭載されているデジタルカメラでも解像度の高いものが増えてきましたが、印刷物に使用するには、解像度だけではなく、画質(画像のクオリティ)にも気を配る必要があります。
用語解説
- サービスビューロー
イメージセッタでの高解像度フィルム出力や高性能スキャナでの画像のスキャニングなどを行うサービスショップ。出力センターともいう。
- 画素
写真画像のようなビットマップ画像を構成する最小単位のこと。ピクセルともいう。写真などは、画素数(ピクセル数)が多いほうがより精細な画像となる。
- SCSI
Small Computer System Interfaceの略。パソコンと画辺機器を接続するインターフェイスで、速度形状ともにいくつかの種類がある。最大7台まで接続可能。
- USB(ユニバーサルシリアルバス)
Universal Serial Busの略。現在、多くのパソコンで標準装備となっているインターフェイス。いろいろな周辺機器がこの規格を採用している。低・中速向き。
- FireWire(IEEE1394)
USBとならんで、現在多くのパソコンで装備されているインターフェイス。中・高速向け。各種ドライブ、デジタルビデオカメラの接続などで使用。
(続く)