日本語からベトナム語翻訳する際、翻訳/チェック作業完了後、最後のステップは出版または提出することです。提出することはベトナム語翻訳を正式公開することであり、翻訳物は翻訳者の顔と言っても過言ではありません。
翻訳成果物を提出することは、家族、親戚、友人に誕生日プレゼントをあげることと同じだと思われています。そのため、翻訳の品質はどんなに高くても、提出や公開をきちんと行わなければ、クライアントや読者に悪い印象を与えることになります。
- 本章では、クライアントへの提出のみを扱います。
1.QAファイルを作成する
a.QAファイルの目的
QAファイルは、翻訳者とチェッカーが日本語からベトナム語への翻訳における内容についてクライアントと相談するためのファイルです。QAファイルを活用できる場合:
- 原稿に誤りがある(綴り、文法的な間違い、記号など)
- 不明な情報(データ、数字、指標など)
- 漢字の読み方(読み方が不明な漢字、地名など)
- 意味が不明な箇所
QAファイルはクライアントとのやり取りに使用されるため、誤りを回避するよう順序に従う必要もあります。
- できる限りチェックする
- チェックの結果、質問をQAファイルにまとめる。
- 翻訳者自身がベストと考える「翻訳」を提案する。
b.QAファイルの作成方法
QAファイルテンプレートは翻訳会社から提供される場合がありますが、ほとんどのプロの翻訳者は自分でQAファイルテンプレート(通常はエクセルファイル)を作成します。
QAファイルの提出時期は、各翻訳会社やプロジェクトにより異なります。QAファイルを翻訳成果物と一緒に提出するか、プロジェクトの進行中で翻訳会社・クライアントへ確認する段階に提出することもできです。これはケースバイケースですので、翻訳者とチェッカーは事前に提出のタイミングを確認する必要があります。
QAファイルを作成する際、クライアントへの質問は丁寧に記す必要があります。できるだけ簡潔にした方がベストです。これはかなりシンプルなことですが、うまく行うと、プロ意識と、顧客への誠意を表すことができ、クライアントとの信頼も高まります。
通常は翻訳ファイルとQAファイルをメールの添付ファイルとしてクライアントへ一緒に提出します。しかし、ファイルサイズが大きい場合、クラウド(クラウドサービス)またはその他のファイル送信用のアプリケーションを利用して送信します。
c.QAファイルを提出する際の注意点
クライアントへメールを書くときは注意が必要です。クライアントに悪い印象を与えないよう失礼な文章スタイル(普通体など)で書かないようにします。
また、長くて複雑な文章を書く必要はなく、伝えたいことを簡潔で明確に記す方がベストです。その上、クライアントへ送るメールとQAファイルを書く際はテンプレートばかり使うのではなく、丁寧に書いた方がベストです。
QAファイルとメールの書き方は、クライアントに良い印象を与えるための2つの要素です。そのため、QAファイルとメール作成を練習し、クライアントから信頼を得られるようにしてください。 これも将来の仕事に非常に役立つスキルです。
続く
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