日本語からベトナム語へ翻訳する際、高品質な翻訳を提供するため、翻訳原稿は下訳、上訳など多くの段階のプロセスを経る必要があります。しかし、翻訳原稿をクライアントへ提出する前に確認する必要があるため、チェックの段階をスキップしてはなりません。
日本語からベトナム語翻訳するプロセスにおける「上訳のスキル」の終わりとして、第21章では、チェックのスキルである翻訳プロセスの重要な段階について詳しくご紹介したいと思います。
チェックの段階とは?
チェックは基本的に翻訳プロセスの最後のステップです。これは、チェック者(チェッカー)が提出する前に翻訳原稿を最終的にチェックし、誤りなどを修正する段階のことです。日本語からベトナム語へ翻訳する際によくある一般的な誤りはミスタイプ、誤訳、翻訳漏れ、スペルミスなどです。
一般に、チェックでは次の内容を十分に確認する必要があります:
- 文法的な間違い(例えば「に違いありません」は「nhất định là ~」を意味しますが、「ません」を否定文と勘違いすることがあります)。
- 統一性の確認(例えば:折衝 (せっしょう)は「đàm phán」、あるいは「thương lượng」の意味かで統一する)
- スタイルガイドの確認(スタイルガイドは、翻訳会社・クライアントが提供する翻訳ルール。これは、日本語からベトナム語へ翻訳する際、従わなければならない指示です。)
- 分かりづらい翻訳(不適切な表現、不自然な文章など)
- スタイル、語彙の統一性など
チェックは注意深さが求められる仕事であるため、翻訳者はチェックする際適当に目を通すだけでなく、日本語からベトナム語へ高い品質で翻訳することを目標とし、集中しなければなりません。
一般的に、チェックする前に原文をとりあえず置いておいて、翻訳原稿だけを読みます。翻訳原稿を読むことにより、全体的な内容を把握することに役立ちます。また、ベトナム語の翻訳原稿を読むことで、綴りやミスタイプなどの小さな誤りも見つけることができます。 また、翻訳者が見落とす可能性がある一般的な誤りとして、一貫性のない文字や数字があります。
1. 文字と数字の記号の統一
文字と数字の記号の統一、これは日本語からベトナム語への翻訳ではかなり細かい部分ですが、これらの要素はスタイルの見栄えを良くし、ある場合、特定の役割を果たします。
日本語からベトナム語へ翻訳する際、訳文を原文と同じにする必要がありますが、各言語の表現に応じて適切に変更し、全体的に一貫性を保つ必要があります。
下記は翻訳者とチェッカーが統一しなければならないいくつかのルールです:
日本語 | ベトナム語 | |
小数点コンマ | コンマ「,」 (10,000,000) | 句点「.」 (10.000.000) |
小数点 | 句点「.」 (8.9%) | コンマ「,」(8,9%) |
10,000 | 万 | 数字または「nghìn」で表示する |
Vân vân | 等 | など |
さらに、1バイト文字と2バイト文字という点で統一されていないこともよくあります。
たとえば、日本語の文章において特殊文字は全角フォントを使用しますが、ベトナム語へ翻訳する際、半角フォントに変更する必要があります。例:
① →1
*→*
&→&
上記の誤りは通常ミスタイプが原因で発生します。翻訳するときに翻訳者はこれらの誤りを見つけて修正しますが、チェッカーはもう一回確認する必要があります。
1バイトと2バイトの文字が統一されていない誤りは、「Microsoft Ofice Word」で操作する場合、「Home Paragraph」で確認するか、「Advanced Search」機能で修正することができます。機械翻訳ツールを用いる場合、品質確認ツール(QA)で確認すれば、1バイトと2バイトの誤りをすぐ発見できます。
しかし、これはかなり小さな誤りであり、翻訳者とチェッカーが作業を開始する前に統一すれば、このような誤りを回避することができます。
日本語からベトナム語への翻訳原稿のチェック作業には、翻訳者に特定の知識とスキルが求められるだけでなく、忍耐力、慎重さ、詳細な点に注意を払うことが求められます。日本語からベトナム語への翻訳における最終的な目標は、読者に役立つ知識を提供することであるため、細部に注意を払うことは最も重要です。
(続く)
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