日本語からベトナム語翻訳の際、原文の情報を明確にすることは重要です。ベトナム語翻訳の下訳は文法的に正しく翻訳する段階である一方、上訳では原文の情報を明確にする必要があります。
第18章:ベトナム語翻訳の上訳スキル・パート3では、語彙の組み合わせと一般化について述べましたが、原文の情報を確認する必要もあります。
6. 情報を明確にする:
日本語からベトナム語翻訳の際、各言語によって表現が異なるため、翻訳原稿の情報が原文と異なる場合があります。特にことわざとイディオムの場合です。
例1:
宵越しの金は持たぬ
- 分析:下訳:“Không giữ được tiền qua đêm”.下訳では、語彙と文法は意味としては間違いではありませんが、文脈が少し不自然に感じられます。
- これは日常生活に関することわざで、日本語では、お金を手に入れたらその日のうちに使ってしまおうという意味となります
- Tiêu sạch tiền vừa kiếm được.
7.5W1H
第1章の「分析スキルーパート1」では5W1Hについて述べました。5W1Hは「What」(なに)、「When」(いつ)、「Where」(どこ)、「Why」(なぜ)、「Who」(だれ)、「How」(どうやって)を要約した言葉です。これは、上訳の段階に進む際非常に重要な思考法と見なされています。
5W1Hを適用して文脈に応じて適切な言葉で置き換えることにより、訳文をより自然にすることができます。
a.What?(何?)
原文の話題は何か?どのような内容か?
b.Where?(どこ?)
原文が話している場所はどこか?どこで発生するのか?どのような場面で使用されているのか?どこで使用されているのか?
c.When?(いつ?)
この原稿はいつ書かれたのか?発生するイベントの期間は長いか、短いか?
d.Why?(なぜ?)
なぜ作者はこれを書いたのか?なぜ読者はこれを読むのか?
e.Who?(だれ?)
原文を書いたのは誰か?どの出版社が出版するのか?対象読者は誰か?
f.How?(どうやって?)
読者がこれを読んだ後、何をするのか?どうやってするのか?
5W1Hの参考表
ベトナム語 | 英語 | 日本語 |
Khi nào | when | 〜の時、いつ、〜の場合、〜ながら |
Ở đâu | where | 〜の場所、どこに、〜の地点で、〜のところ |
Ai | who | 誰が、〜の人物、適切な名詞に置き換え(例:担当者、対象者) |
Cái gì | what | 何の〜、〜こと、〜のは、どれだけ、どんな、適切な名詞に置き換え(例:〜内容、〜という事実) |
Tại sao | why | なぜ、どうして、〜の理由、だから |
Bằng cách nào | how | どのように、どれほど、どんな、〜の仕方、〜方法、どれくらい、〜手段 |
例:
現在の日本経済に関してあなたが話したことは、説得力がある。
🡪 Những gì bạn nói về nền kinh tế Nhật Bản hiện tại nghe thật hấp dẫn.
5W1Hは簡単ですが、かなり効果的と見なされています。この5W1Hにより、話題を明確で理解しやすく取り上げることができるだけでなく、日本語からベトナム語へ翻訳する作業の言葉の選択や文章を自然にする点で役立ちます。
(続く)
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