DTP制作でパソコンを動かす基本的な役割を担うのがOSです。Mac OS X、Windows XPなどがこれにあたります。DTP制作ではOSのバージョンがとても重要な意味ます。これまでのOSの流れと現状を把握しておきましょう。
Mac OS
a. Mac OS 9.2.2
現行のMac OS Xの環境に対して、「Classic」と呼ばれるOSの最終バージョンがMac OS 9.2.2です。サポートは終了しているものの、Mac OS Xへの移行が完了していないDTPの現場では、いまだに広く利用されています。搭載CPUがPowerPC G3、G4のほとんどの機種は、Mac OS XとMac OS 9.2.2の両方で起動できます。しかし、Power PC G4搭載の一部の機種とPower PC G5搭載の機種ではMac OSXでしか起動できません。
CPUがPower PCで、Mac OS Xが起動している場合、Mac OS 9.2.2も同時にインストールされていれば、「Classic環境」と呼ばれるMac Os 9が仮想環境として起動し、Mac OS 9用のアプリケーションソフト使うことができます。しかし、パフォーマンスが悪かったり、プリンタドライバうまく使えないなど、不具合も多いようです。
b. タイドMac OS(3 Panther / 10.4 Tiger 10.5 Leopard)
2001年以降に発売されている機種には、UNIXをベースに開発された「Mac OS X」が搭載されています。2003年後半から販売されたすべてのMacがOS Xでのみ起動する機種となり、さらに、2006年以降は、CPUがIntel製のMacのみの販売となりました。そのため、Mac OS X対応のDTP関連ソフトの最新バージョンは、Intel Mac、Power PC Macのどちらでも動作する「ニバーサルバイナリ」となっています。Power PC Mac用のソフロゼトは、OS Xに搭載されている「Rosetta」という機能が働くことによって、Intel Macでも使用できるものがあります。2007年秋からは、Mac OS X(10.5 / Leopard)が発売されています。
Windows
a. Windows XP
今までは、DTP制作で Macとの互換性のうえで、出力環境に制限が多かったWindowsでのDTPですが、Open Typeフォントを利用することにより、Mac OS Xを使用したDTP環境とほぼ同じ状態のシステムを構築できるようになりました。Macよりもハードウェアが安価であるなどの理由から、使用者が増加しています。
b. Windows Vista
DTP制作関連ソフトの最新バージョンは、2007年初めに登場したWindows Vistaにもすてに対応しています。
豆知識
Adobe Illustrator 10、Adobe Photoshop 7、InDesign 2は、発売時期がちょうどMac OSの変わり目だったため、Mac OS 9、Mac OS X(Power PC使用時)の両方で使用できるバージョンでした。
注意
現行のMac、CPUがすべてIntel製のものとなったため、「Classic環境」は使えません。
Q&A:ソフトウェアの対応を調べる
Q:自分のマシンで使えるソフトウェアを知りたいときは、どうすればよいですか?
A:Windowsを使用する場合も含め、各AアプリケーションソフトのOSへの対応状況は、ソフトメーカーのホームページなどで最新情報を確認することができます。購入前には必ずチェックしましょう。購入後も、マイナーバージョンアップ(細かな不具合を解消するため)のアップデータもダウンロードできるので、定期的にチェックするようにしましょう。
- アップルジャパン株式会社http://www.apple.com/jp
- アドビシステムズ株式会社http://www.adobe.com/jp/
- クォークジャパン株式会社http://japan.quark.com/
- マイクロソフト株式会社http://www.microsoft.com/japan/
用語解説
- バージョンアップ
ソフトウェアやハードウェアに新しい機能を追加したり、不具合(バグ)を解消した改良版がリリースされること。無料の場合と有料の場合がある。
- Power Macintosh
発売当初からCPUにモトローラ社の68000系を搭載してきたMacが、1994年から新しいCPU、Power PCを採用、以降の機種をPowwer Macintoshとした。
- OS
Operating Systemの略。コンビュータを動かすために働いている基本ソフト。この動作の上で周辺機器やアプリケーションソフトが動く。
- InDesign
アドビシステムズ社から2001年に日本語版が発売されたページレイアウトソフト。現在はCS3で、Intel Mac、Windows Vistaにも対応。
- OCF
フォント日本語によるDTPがはじまった当初から使われている和文PostScriptフォントのフォーマット。サポートが終了しているが、現場ではまだ使われている。
- Rosetta
OS Xに搭載されている、バックグラウンドでPower PCベースのアプリケーションをIntelベースのMac変換して実行する機能。
(続く)