DTP制作でベージレイアウトソフトは、1985年に発表されたAldus PageMaker以降、DTP制作の中心に位置し、QuarkXPressが普及を進めました。2000年にはAdobe InDesignが発売され、いちだんと選択の幅が広がってきました。
ページレイアウトソフト
ベージレイアウトソフトとは、デジタル化されたテキスト、画像、図版などの素材をひとつのデータ上にまとめてページをレイアウト作成するソフトのことです。ワープロソフトでもページレイアウトは可能ですが、ポストスクリプト出力への対応、ページ作成のためのさまざまな機能の搭載などによって、プロのDTP制作の現場では、ページレイアウトソフトが多く利用されています。
- Adobe InDesign [Mac / Windows]
他のページレイアウトソフトの機能をほとんど備えているうえ日本語組版に関する機能が充実、レイアウトデータから直接PDFに書き出しができるなど機能満載のソフト。Mac OS X環境、OpenTypeフォントへもいち早く対応しており、IIustratorやPhotoshopなどとの連係も強化されているため、Mac OSやWindows環境での使用者が増加しています。5世代目にあたる最新バージョンCS3は、ユニバーサルバイナリ(P.057)で、Windows Vistaも対応しています。
- QuarkXPress [Mac Windows]
ページレイアウトソフトの定番で、2008年10月現在の日本語版のバージョンは8です。バージョン3.31の時期に出力時の安定性などからューザーが増え、その後のバージョン4.1とともに圧倒的なシェアをしめてきたソフトです。バージョン3、4では、「ドングル」と呼ばれる独自のハードウェアプロテクトキーが採用されており、このキーが接続されているマシンでしかソフトが起動しないようになっていましたが、バージョン6以降は「アクティベーション」方式のプロテクトに変更されました。またバージョン6.51以降、ダイナミックダウンロードに対応、バージョン8で、ユニバーサルバイナリとなりました。ドングル(ハードウェアプロテクトキー)使用するマシンに接続されていないとアプリケーションソフトが起動しないような仕組みで、違法コピーの使用を阻止するためのもの。
- Adobe PageMaker IMac(OS 9のみ)/ Windows]
1985年に登場し、DTP誕生の基礎となったレイアウトソフトです。1994年にアルダス社がアドビシステムズ社に吸収されたあとも開発が続けられていましたが、InDesign登場により、開発終了となりました。最終バージョンは7.0で発売中です。
- EDICOLOR [Mac / Windows]「エディアン」という電算写植専用の組版システムをバソコン用に移植したもので、日本語組版のために開発された日本語固有のルールに非常に強いのが特徴です。印刷会社での組版作業に使用されている場合が多いソフトです。
- Adobe FrameMaker [Windows / UNIX] XML(eXtensible Markup Language)ドキュメントを平易に取り扱うことができる企業向けのページレイアウトソフトです。企業内全体を通じてXMLによるコンテンツの検索、共有および再利用が可能で、制作したものは、紙、PDF、HTMLなどのさまざまなメディアで活用することができます。
PDF関連ソフト
これからのDTP制作においては、PDFの重要度がますます高くなっていきます。
- Adobe Reader(旧Acrobat Reader)[Mac / Windows他]
PDFファイルの閲覧やプリント出力などができるソフトで、アドビシステムズ社のWebサイトで無償配布されています。携帯電話などのモバイルデバイス用もあります。
- Adobe Acrobat [Mac Windows]
PDFファイルのいろいろな機能をより高度に使いこなすために必要なソフトです。DTPの分野では、校正のやりとりや、印刷用ファイルの作成検証などに必ず必要なソフトです。また、このソフトに付属しているAcrobat Distillerを使用することによって、プリンタに出力するのと同じ要領で、PDFファイルを作成することができるため、PDF作成機能を持たないソフトでのPDF作成にも役に立つ、DTPにはかかせないソフトといえます。
用語解説
- プロテクトソフト
ウェアやデータ保護する仕組みのこと。ソフトメーカーが違法コピー使用を防ぐためにほどこすものをコピープロテクトという
- XML
eXtensible Markup Language(拡張可能なマークアップ言語)の略。<価格>のようにわかりやすいタグ(<>)を用いて、単なる文書をデータとして処理できる。
- 電算写植
コンピュータを使った写植組版システムのこと。データ入力装置、組織処理装置出力装置などで構成される。CTSともいう。
(続く)
続き読む:
第3章・バート7: DTP制作でソフトウェア「2」グラフィック
第3章・バート9:DTP制作でソフトウェア「4」フォントとその他のソフト