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タガログ語の翻訳は難しい?

日本語からタガログ語に翻訳を依頼する際の注意点

タガログ語は、フィリピンの首都マニラを中心に話されている言語です。フィリピンにはおよそ80の言語があると考えられていますが、その中で最も多い約2,200万人が母語としてタガログ語を使っています。以下では、フィリピンやタガログ語に関する知識、そしてタガログ語に翻訳する際の注意点などをご紹介します。

タガログ語は、フィリピンの首都マニラを中心に話されている言語です。フィリピンにはおよそ80の言語があると考えられていますが、その中で最も多い約2,200万人が母語としてタガログ語を使っています。以下では、フィリピンやタガログ語に関する知識、そしてタガログ語に翻訳する際の注意点などをご紹介します。

 

 

 


1.フィリピンはどんな国?

1.1. フィリピンの基本情報

まず、フィリピンの基本情報について簡単にご紹介します。フィリピンは7,107の島からなる国家で、島や地域ごとに多様な民族や文化が存在していることが特徴です。面積は299,404平方キロメートルで日本の約80%相当です。また、人口は2020年の時点で約1億900万人超に達し、世界第13位となっています。ASEAN唯一のキリスト教国家で、キリスト教徒が人口の90%以上(うちカトリックが約83%)を占めているほか、人口の5%がイスラム教を信仰しています。

 

 

 

1.2. フィリピンと日本の経済的なつながり

親日国として知られているフィリピンでは、日本との貿易も大変活発です。2019年には、輸出入額はそれぞれ1兆1,500億円を超え、日本はフィリピンにとって第2位の輸出先および輸入先となっています。

フィリピンの経済成長率は、2012年から新型コロナ拡大前の2019年まで5.7%〜7.1%の高い水準を維持しており、2017年時点でおよそ1,500社がフィリピンに進出しています。

また、2019年の在留邦人数は16,894人、在日フィリピン人数は世界第4位の297,890人で、新型コロナによる渡航制限前は人の往来が活発に行われていました。

両国の経済協力も積極的に行われており、2018年には2,800億円を超える政府開発援助が拠出されています。

 


2.フィリピンと日本の商習慣の違い

近年、日本企業によるフィリピンへの進出が進んでいますが、日本人がフィリピンで仕事をするにあたり、気を付ければいけないことは何でしょうか。フィリピンと日本のビジネスにおける習慣の違いや知っておくべきポイントをまとめました。

 

 

 

2.1. 仕事よりも家族が優先

フィリピン人には家族のことを最優先に考えている人が多いです。日本では家族よりも仕事に重きを置く人が多いですが、フィリピンでは家族の事情で休暇を取ることも一般的です。戸惑うこともあるかもしれませんが、日本の価値観を押し付けず、現地の考え方を尊重するようにしましょう。現地スタッフが休みやすい環境を整備することも必要です。

 

2.2. 交通渋滞は日常茶飯事

フィリピンでは交通インフラの整備がまだ不十分なため、特に通勤・帰宅ラッシュがひどいです。交通渋滞で遅刻するスタッフも多いですが、朝の通勤時間帯でもバスや電車が遅れることは日常茶飯事なので、あまり時間厳守にこだわることなく、一定程度理解を示してあげたほうがよいでしょう。

 

 

 

また、上述のように仕事よりも家族との時間が優先されるので、渋滞で帰宅時間が遅くならないように定時にきっちり仕事を終え、残業はほとんどしません。

 

2.3. やりがいよりも勤務条件重視

フィリピンでは、転職は悪いことだと考えられておらず、一般的に会社への帰属意識が低いです。勤め先に不満があったり、よりよい待遇の仕事があればためらいなく新しい職場へ移ってしまいます。仕事に対するやりがいはあまり重要視されず、自分の担当業務以外のことをやりたがらない人も多いので、そのことを念頭に入れておく必要があります。

 

2.4. 「メリエンダ」と呼ばれる休憩時間

フィリピン人は仕事中もリラックスをすることが大事だと考えています。10時ごろと15時ごろには、メリエンダという短い休憩時間をとることが認められており、お菓子を食べながら同僚と談笑したりします。スタッフと良好な人間関係を築いた方が業務が円滑に進むことも多いので、あまり緊張感を持ちすぎず、積極的にスタッフとコミュニケーションを取るようにしましょう。

 

2.5. キリスト教が根付く社会

フィリピンでは敬虔なカトリック教徒が多く、日曜日は教会へ行く習慣があり、一般的な会社は休みとなっています。会食などのアポイントメントは日曜日を避けて設定しましょう。

また、クリスマスもフィリピン人にとって特別で、「フィリピン人はクリスマスのために1年間働く」と言われるほどです。9月からクリスマスに向けた準備が始められ、多くの会社でクリスマスパーティが開催されます。

 

 

 


3.タガログ語の特徴

3.1. スペイン語の影響を受けている

フィリピンは1900年頃まで約300年間スペインの植民地たっだため、タガログ語はスペイン語の影響を大きく受けています。

例えば、「時間」という単語はスペイン語で「horas」ですが、タガログ語では「oras」で、スペイン語とスペルが似ている単語が多いです。中には「Plato」(お皿)のようにスペルがまったく同じものもあります。

 

 

 

3.2. タガログ語と英語を合わせた「タングリッシュ」

タガログ語ではスペイン語に加え、英語からの借用語も多いです。フィリピンではスペインによる統治が終わると、その後100年弱の間アメリカの植民地となっていたためです。

これ以降英語による教育も普及し、多くのフィリピン人が英語を話すようになりました。現在、フィリピンでは英語も公用語となっており、英語話者の数は世界第3位の約9,000万人とも言われています。タガログ語に英語を合わせた言葉は「タングリッシュ」と呼ばれます。

 

3.3. アバカダと呼ばれるアルファベット

タガログ語のアルファベットはアバカダ(ABAKADA)と呼ばれます。これは日本人が一般的に用いている英語のアルファベットの「A、B、C、D…」にあたるもので、アルファベットは26文字ですが、アバカダは20文字しかなく、タガログ語ではC、F、J、Q、X、V、Zが使用されません。

なお、タガログ語が基となっている公用語のフィリピノ語ではアバカダの20文字にスペイン語のアルファベット8種類を加えた28文字が使われます。

 

3.4. 原則ローマ字読み

タガログ語には母音が5種類、子音が16種類あります。読み方は基本的にローマ字読みのため比較的簡単ですが、タガログ語独自の「NG」や「L」と「R」の使い分けなど難しく感じる点もあります。

 

 

 

また、他にもアルファベットでは表されない、小さい「ッ」のような音(声門閉鎖音)があることも念頭においておきましょう。

 

3.5. 同じスペルでもアクセントごとに意味が異なる

タガログ語にはアクセントがあり、同じスペルでもアクセントの場所で意味が変わってしまいます。例えば「aso」という単語は、「a」にアクセントを置くと「犬」、「o」にアクセントを置くと「煙」という意味になります。各単語のアクセントの位置は記号などで表記されないため、使いながら覚えていくのがよいでしょう。

 


4.タガログ語と日本語で異なる点

4.1.動詞が主語の前にくる

タガログ語の語順は「V+S+O」(動詞+主語+目的語)の語順となり、動詞が文頭に来ます。また、主語によっては「V+O+S」と並ぶこともあります。

例えば、「彼/彼女はバナナを食べた」はタガログ語で表記すると「Kumain siya ng saging」で「食べた 彼/彼女 バナナ」の順番となります。ただし、焦点を当てる内容によって語順が変わるため文法はかなり複雑です。

 

4.2.語根に接辞が付き意味が変化する

タガログ語は語根に接辞が付き時制や意味が変化していきます。

例えば、「富」という意味の語根「yaman」に形容詞化の働きを持り「多い」という意味の接頭辞の「ma-」がつくと、「金持ち」という意味の「mayaman」となります。

接辞には接頭辞の他にも、接尾辞や語根の間に入る接中辞、語根を囲む接周辞もあり複数の接辞が組み合わさって1つの語句となるケースも多いので、最初は覚えるのに苦労するかもしれません。

 

4.3. 所有格と名詞の順番が逆となる

日本語では、例えば「赤い靴」だと修飾語(赤い)が前となり、次に続く語句(靴)を修飾しますが、タガログ語ではこのような決まりがない場合もあります。名詞を形容詞で修飾する際は「赤い靴」の場合、「pulang sapatos」(赤 靴)とも「sapatos na pula」(靴 赤)とも表記でき修飾語が名詞の前でも後でも構いません。しかし、それぞれの場合で語形が異なるので注意が必要です。

 


5. タガログ語の翻訳は翻訳会社に依頼すべき

5.1.タガログ語の機械翻訳は正確さに欠ける

 

 

 

近年、翻訳アプリや機械翻訳などの普及が進み、大変便利で手軽に翻訳ができるようになりました。しかし、タガログ語の翻訳はこれらのツールを頼るべきではありません。

文法が複雑なタガログ語では、話者や書き手が焦点を置いている点により語順や語形が変わります。そのため、機械翻訳では文脈が正しく反映されないことも多いのです。

また、タガログ語は語彙が英語に比べ少ないので、前述の「タグリッシュ」のように文の中で英語を加えてより自然にすることもあります。翻訳先言語を1言語しか設定できない機械翻訳では適切な意味で翻訳されないことも頻繁に起こりうるのです。

 

5.2. タガログ語の翻訳は翻訳会社に頼るのが1番

このようにタガログ語では機械翻訳は精度が不十分で、誤訳が起こる可能性も高いです。使用するのは友人とのやりとりや旅行の時にとどめておいた方がよいでしょう。ビジネスにおいて現地パートナーやスタッフ向けに作成する資料は正確さがカギとなり、印象や運営に大きな影響を及ぼします。タガログ語の翻訳は、信頼と実績のある翻訳会社を頼るのが1番です。

 


6.タガログ語への翻訳料金の相場・単価はいくら?

翻訳料金は次の3つのポイントを中心に決まっていきます。

①納期

②翻訳する原稿のボリューム

③翻訳分野や言語の種類

以下で具体的にご説明していきます。

 

6.1. ポイント①納期

翻訳料金は依頼から納品までの日数によって変わります。翻訳者の1日に作業できる分量は決まっており、また複数の依頼を受けている場合もあります。そのため、通常よりも短い納期だと、翻訳者の人数を増やしたり、他の仕事を断ったりしなければならないため、料金が高くなってしまいます。コストを抑えるためには納期に余裕をもって依頼するとよいでしょう。

 

6.2. ポイント②翻訳する原稿のボリューム

翻訳料金は原文や翻訳後の文章量で「1文字当たりいくら」、「1単語当たりいくら」などと、目安が決まっている場合が多く、翻訳会社が見積もりを作成する際は、このレートを基に翻訳前の原稿の単語数や文字数を参考にしています。

翻訳会社によっては依頼量が多い場合、割引を受けることもできます。

 

6.3. ポイント③翻訳分野や言語の種類

翻訳の難易度も料金を決める重要なポイントです。法律、医療、情報など、様々な分野がありますが、分野によって料金が異なります。また、文書の専門性によっても料金が変わり、論文など専門性が高い場合は料金が高くなる場合が多いです。

そして、翻訳者や翻訳案件の数が少ない言語は他の言語より調整が難しくなるため、料金が高くなる傾向があります。

タ ガログ語は翻訳者が他の言語と比べて少ないため、比較的安く設定されています。

 

6.4. 日本語・英語からタガログ語への翻訳料金相場

日本語からタガログ語、英語からタガログ語の翻訳料金の一般的な相場は以下のようになります。

日本語→タガログ語(単価/字)英語→タガログ語(単価/ワード)ミニマムチャージ (400字)
一般文書・手紙 10円~12円 17円~19円 4,200円~
専門的文書 12円~14円 20円~22円 5,500円~
契約書・証明書・特許15円~23円~7,000円~

 

 

 

 

 

 

 

前述のように納期が短い場合は別途特急料金が設定される場合もありますし、逆に余裕のある納期の場合や文章量が多い場合は割引されることもあります。

 


7. まとめ

このページでは、フィリピンやタガログ語に関する基本情報と、タガログ語を翻訳する際は信頼できる翻訳会社に依頼したほうがよい理由についてまとめました。

日本とフィリピンの経済関係が強固になるにつれ、現地パートナーへの資料や契約書や現地スタッフに向けたマニュアルなど、タガログ語の翻訳が必要となる場面は今後ますます増えていくと考えられています。

グリーンサンでは、スピーディーで高品質なタガログ語の翻訳を提供しています。翻訳の内容や目的に合わせて、各専門分野のプロが対応いたしますので、お気軽にご相談ください!