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マレー語の翻訳は難しい?
日本語からマレー語に翻訳を依頼する際の注意点

マレー語はマレーシアの他、シンガポール、ブルネイなど東南アジアで広く話されている言語で、インドネシア語の元となった言語でもあります。話者の数は2億人以上にのぼると言われています。以下では、マレーシアやマレー語に関する知識、そしてマレー語に翻訳する際の注意点などをご紹介します。

目次

1.マレーシアはどんな国?


1.1. マレーシアの基本情報

まず、マレーシアの基本情報について簡単にご紹介します。マレーシアはマレー半島とボルネオ島からなる国家で、面積は約33万Km2で日本の約0.9倍の広さ、人口は約3,200万人(2017年)です。マレー系(約69%)、中国系(約23%)、インド系(約7%)や様々な先住民族で構成される多民族国家でもあります。 また、民族に紐づいた形で宗教が根付いており、国教であるイスラム教の他、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教、儒教・道教などが信仰されています。    

1.2. マレーシアと日本の経済的なつながり

マレーシアは近年、平均4~6%の安定した経済成長を続けており、電機・電子産業や、天然ゴム・パーム油といった資源を生かした農林業などが盛んです。マレーシアにとって日本は主要な輸出先の1つで、主に天然ガスやIC(集積回路)などが日本へ輸出されています。多くの日本企業がマレーシアに進出しており、その数はおよそ1,400社に上ります。 また、両国間の経済協力も活発に行われ、国際協力機構(JICA)による政府開発援助は約4,700万ドルに上り、日本は最大の援助国となりました(2016年)。  

2.マレーシアと日本の商習慣の違い


近年、マレーシアでは日本企業の進出が進んでいますが、日本人がマレーシアで仕事をするにあたり、気を付ければいけないことは何でしょうか。マレーシアと日本のビジネスにおける習慣の違いや知っておくべきポイントをまとめました。    

2.1. 役職に関する階層意識が強い

マレーシアでは役職に関する階層意識が強く、厳しい上下関係が存在します。役職が違う者同士だと会議や面会の調整が進まないため、目上の人との場を設定したい場合は自分の上司にも同席してもらった方がスムーズにいきます。 しかし、個人的に仲良くなれば役職に関係なく気軽にやりとりができるようになるので、日ごろからオフィスに立ち寄るなど良好な関係を築いておくとよいでしょう。  

2.2. 挨拶の握手には配慮が必要

握手をする際は、左手は不浄の手とされているため、右手で交わしましょう。また、マレーシアはイスラム国家のため、異性間での接触は好ましくないとされています。相手が女性の場合は様子を伺い、女性から手を差し出された時のみ握手をしましょう。自身が女性で、握手を求めたとしても、男性から断られる場合があるので注意が必要です。  

2.3. 人見知り(?)なマレーシア人

マレーシア人には恥ずかしがり屋の人が多く、初対面の相手との仕事が苦手な傾向があります。そのため、本来は担当者に連絡すべき内容を、知り合いにだけ伝えて完結させようとしてしまうことがあります。「言った、言わない」のトラブルを避けるため、報告・連絡・相談を習慣付け、誰に言ったか・誰に聞いたかを明確にしておくことが必要です。  

2.4. 宗教に配慮したアポイント設定を

マレーシアでは多様な宗教が信仰されていますが、例えば、イスラム教では1日5回礼拝を行うしきたりがあり、お昼休憩の時間を礼拝にあてている会社も多いです。また、イスラムの祝日である金曜日にはモスクで礼拝が行われるため、会社を不在にする時間が通常よりも長くなります。会社訪問やアポイントをとる際はこれらのことに留意し、時間がかぶらないようにしましょう。 なお、宗教に関する話題は、宗教ごとにルールが異なるうえ、個人によって考え方も違うため、相手との関係にもよりますが、あまり深く話さないほうが無難です。  

2.5. 注意をするときは個別に

マレーシア人はプライドが高く、面子を気にする人が多いため、人前で叱ることは避けましょう。ミスに対して謝罪せず、言い訳をしてしまう人が多いですが、ちょっとした小さなミスはおおらかに許し、責めすぎないことも必要です。もし注意をするときは、後からトラブルになるのを回避するため、個室に呼び出して2人きりで伝えましょう。  

3.マレー語の特徴


3.1. 基本的にアルファベット表記でローマ字読み

マレー語は、通常ラテン文字(いわゆるアルファベット)で表記され、ローマ字読みとなります。そのため日本人にとっては比較的発音がしやすく、学びやすい言語です。 ただし、一部、アラビア文字から派生したジャウィ文字も使用され、こちらは右から左に表記されます。  

3.2. 声調がない

マレー語は、マレー語には中国語の四声のようなアクセントがなく、音の高低で意味を区別することはありません。 そのため、正確に発音できず間違った意味で相手に伝わってしまったというトラブルも起こりにくいです。一般的に外国語の発音で悩む日本人は多いですが、マレー語に関しては比較的容易に発音でき、現地の人にも理解してもらいやすいでしょう。  

3.3. 名詞に単数形や複数形がない

マレー語には日本語と同様に名詞の単数形や複数形はなく、名詞を繰り返すことで複数形を表します。例えば、buku(1冊の本)は buku-buku(複数の本)となります。 また、名詞を繰り返すことで関連する別の意味を表すこともあります。例えばpagi(朝)はpagi-pagi(早朝)という意味となります。  

3.4. 時制や人称による動詞の変化がない

マレー語には時制ごとの動詞の語形変化はありません。時制を表したい場合は、kelmarin(昨日)、sedang(~している最中)のように、時間を表す単語を用います。 また、人称ごとの動詞の変化もなく、主語が男性・女性、単数・複数に関わらず同じ動詞の形を使います。1つ動詞を覚えれば主語がどのような形でもそのまま使用することが可能です。  

3.5. インドネシア語との共通点が多い

冒頭にも記載したように、マレー語はインドネシア語の元となった言葉であるため、インドネシア語との共通点が多く、かなり似ています。マレー語が理解できればインドネシア語もほとんどわかるため、マレーシアで働いているインドネシア人も多いです。 ただし、同じ単語でも意味やニュアンスが異なる単語もあり、近年はまったく別の意味となる単語も増えてきているので、注意が必要です。  

4.マレー語と日本語で異なる点


   

4.1.語順は主語、動詞、目的語の順番

マレー語は英語のように、基本的にはS+V+O(主語+動詞+目的語)の語順となります。 例えば、「私はナシゴレンを食べる。」はSaya makan nasi goreng (Saya:私、makan:食べる、nasi goreng:ナシゴレン)となります。 ※ナシゴレンとは焼きめしのようなインドネシアの代表的料理の1つです。  

4.2.名詞が修飾語の前になる

日本語だと、例えば「この家」のように、名詞(家)の前に修飾語(この)が用いられますが、マレー語では名詞(rumah:家)が先となり日本語とは逆に表記され、rumah ini(家 この)と表されます。 また「日本人」のような複合名詞についても orang Jepun(人 日本)のように、日本語とは順番が逆になるものもあります。  

4.3.  語幹に接頭辞や接尾辞が付き、意味が変化する

マレー語は、語幹となる単語に接頭辞や接尾辞が付くと、異なる意味を持つ単語となります。例えば「開ける」を表すbukaに、接頭辞pemを付けたpembukaは、栓抜き(開ける物、人)という意味になり、また、これに接尾辞anを付けたpembukaanは、「開始」という意味になります。 語幹(上の場合だとbuka)を知っていないと辞書を引くことができないので、比較的勉強がしやすいマレー語ですが、この点は難しく感じるかもしれません。  

5.マレー語の翻訳は翻訳会社に依頼すべき


5.1.マレー語の翻訳は機械翻訳だと危険?

日本との関係が今後ますます発展していくと予想されるマレーシア。様々な場面でマレー語翻訳の必要性が高まっていくと考えられます。 機械翻訳などの翻訳ツールが近年広まりを見せていますが、マレーシア語の翻訳はこれらのツールを頼るべきではありません。 多民族国家であるマレーシアは、地方によって使用される言葉が大きく異なります。例えば、首都クアラルンプールがあるマレー半島と、サラワク州やサバ州があるボルネオ島では使われる言葉が違い、これらの違いに自動翻訳が対応していない可能性があるのです。 また、マレー語に関する情報が少ないためデータが蓄積されておらず、自動翻訳の精度が上がらないことも理由の一つです。    

5.2. マレー語の翻訳は翻訳会社に頼るのが1番

上記のように機械翻訳はまだ正確さに欠ける点が残っています。また、知人などに依頼する場合も、マレー語は地方によって異なるため、翻訳者の出身、現地の文化や習慣に関する知識などを確認する必要があります。 現地パートナーとの信頼関係を築くにあたり、正しく、円滑に意思疎通を図ることは大変重要です。マレー語の翻訳は、信頼と実績のある翻訳会社を頼るのが1番です。

6.マレー語への翻訳料金の相場・単価はいくら?


翻訳料金は次の3つのポイントを中心に決まっていきます。 ①納期 ②翻訳する原稿のボリューム ③翻訳分野や言語の種類 以下で具体的にご説明していきます。  

6.1. ポイント①納期

翻訳料金は依頼から納品までの日数によって変わります。翻訳者の1日に作業できる分量は決まっており、また複数の依頼を受けている場合もあります。そのため、通常よりも短い納期だと、翻訳者の人数を増やしたり、他の仕事を断ったりしなければならないため、料金が高くなってしまいます。コストを抑えるためには納期に余裕をもって依頼するとよいでしょう。  

6.2. ポイント②翻訳する原稿のボリューム

翻訳料金は原文や翻訳後の文章量で「1文字当たりいくら」、「1単語当たりいくら」などと、目安が決まっている場合が多く、翻訳会社が見積もりを作成する際は、このレートを基に翻訳前の原稿の単語数や文字数を参考にしています。 翻訳会社によっては依頼量が多い場合、割引を受けることもできます。  

6.3. ポイント③翻訳分野や言語の種類

翻訳の難易度も料金を決める重要なポイントです。法律、医療、情報など、様々な分野がありますが、分野によって料金が異なります。また、文書の専門性によっても料金が変わり、論文など専門性が高い場合は料金が高くなる場合が多いです。 そして、翻訳者や翻訳案件の数が少ない言語は他の言語より調整が難しくなるため、料金が高くなる傾向があります。 マレー語の翻訳はそれほど難易度は高くないので比較的安く設定されています。  

6.4. 日本語・英語からマレー語への翻訳料金相場

日本語からマレー語、英語からマレー語の翻訳料金の一般的な相場は以下のようになります。
本語→マレー語(単価/字)英語→マレー語(単価/ワード)ミニマムチャージ (400字)
一般文書・手紙 9円~10円 18円~20円 4,200円~
専門的文書 15円~16円 23円~25円 5,500円~
契約書・証明書・特許12円~13円20円~22円7,000円~
  前述のように納期が短い場合は別途特急料金が設定される場合もありますし、逆に余裕のある納期の場合や文章量が多い場合は割引されることもあります。  

7. まとめ


このページでは、マレーシアやマレー語に関する基本情報とマレー語を翻訳する際は信頼できる翻訳会社に依頼したほうがよい理由についてまとめました。 マレーシアの現地スタッフに向けたマニュアル、現地パートナーへの資料や契約書など、マレーシア語の翻訳が必要となる場面は今後ますます増えていくと考えられています。 グリーンサンでは、スピーディーで高品質なマレー語の翻訳を提供しています。翻訳の内容や目的に合わせて、各専門分野のプロが対応いたしますので、お気軽にご相談ください!

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